バナオの奮闘記

筑駒→東大→コンサルとエリートコースを歩んだ後、起業に挑戦したら大失敗。今はとある社長のもとで修行中の身。

始める前に勝負は既に決まっている

6/27に考えたこと。

 

事業は始める前に、成功するか失敗するかが決まっているのではないかと思う。

 

孫子』の冒頭にもこうある。

戦争とは、国家の一大事である。人の死生を決める分岐点であり、国家の存亡を左右する道であるから、これを深く洞察しないわけにはいかない。だから五つの事柄でよくよく検討し、(七つの)計で比較分析し、敵味方の実情を求めるのである。 

孫子・三十六計  ビギナーズ・クラシックス 中国の古典 (角川ソフィア文庫―ビギナーズ・クラシックス 中国の古典)

 

つまり、戦争を開始する前に、よくよく分析し、検討することが必要だと説いている。

それでは、どんなポイントを分析・検討しておくべきなのだろうか?

孫子』では、五事七計によって洞察するのがよいとされているので、それになぞらえて考えてみる。

 

 

 

五事:道

道とは次の意味である。

「道」とは、民の気持ちを為政者に同化させることのできるような政治の正しいあり方。これによって、民は為政者と生死をともにして何の疑いも抱かないようになるのである。

 

第一に挙げられているということは、最も重要だからだろう。

 

為政者というのは、最高権力者のことなので、現代のスタートアップで置き換えれば、社長のあり方が書かれている。

 

まず、社長に人望があり、その社長のためなら生死をともにしてもよいと思う共同創業メンバーが集まっているか。

 

会社が大きくなってきても、社員に「この社長のためなら(ビジネス的な)生死をともにしよう」と思ってもらえているかどうか。

それだけの人間的な器、人望・人徳があるかどうか。

 

更に言えば、現代でいう"民"というのは、社内のメンバーだけでなく、社外のお客さま・取引先も含まれていると思う。

つまり、社外のお客さま・取引先からも、「この社長は好きだ、この社長の目指す姿には非常に共感できる、」と思ってもらえるかどうか。

 

 

 

 

五事:天・地

天・地は次の意味である。

「天」とは明暗・寒暑・時節などの自然条件、「地」とは遠近・広狭・有利・不利となる地形など、戦場に関する地理

 

これを現代のスタートアップで置き換えるのであれば、いわゆるPEST分析と言われるような、外部環境分析・業界分析ができているかということだろう。

 

PEST分析とは、

P:Politics(政治)

E:Economy(経済)

S:Society(社会)

T:Technology(技術)

である。

 

勝負をしようとしている業界に、どのような変化が起きるかをつぶさに把握できているか。

どのように法律は変化するか。

その法律の変化に影響を与えそうな既存企業や彼らのロビー活動の状況はどうか。

その業界の商品に対する支出額は減っているのか、増えているのか。

都心部と地方ではどのような違いがあるのか。

人々の暮らしはどのように変わっているのか、どのようなツールを使うようになってきているのか。

その業界に変革を与えるような技術的な変化にはどのようなものがあるか。

 

 

 

 

五事:将

将は次の意味である。

「将」とは軍を統括する将軍の能力で、智(智恵)、信(信頼)、仁(思いやり)、勇(勇気)、厳(厳格)の五つ。

 

先ほどの天は、為政者、つまり最高権力者のあり方を説いていたが、将は軍を率いる将軍のあり方を説いている。

 

スタートアップに置き換えると、主に共同創業者のことを指しているだろう。

共同創業者に智(智恵)、信(信頼)、仁(思いやり)、勇(勇気)、厳(厳格)があるか。

社長の責任としては、そういった共同創業者を集めてこなければならない。

 

 

 

五事:法

法は次の意味である。

「法」とは、曲制(軍隊の構成や指揮系統などのきまり)、官道(組織の上下や賞罰に関するきまり)、主用(主軍の輜重や食糧に関するきまり)などの各種規則である。

 

これはスタートアップに置き換えるのであれば、以下のようなポイントではないかと思う。

 

株主構成は明確か。

最終意志決定者は明確か。

チームの体制、上下関係は明確か。

株の持ち分・給料・ストックオプションは明確か。

そして、それらは明文化されて、確実に運用されているか。

 

 

 

七計に関しては、別途まとめる。