バナオの奮闘記

エリートコースを歩んだ後、起業に挑戦したら大失敗。今はとある社長のもとで修行中の身。

人間の本質とは?(その1)

よく経営をするなら人間の本質が分かってなくてはならない、などと言われます。

また、行政においては人間の本質を理解して制度を設計しなければ上手くいかないようです。

 

それでは、人間の本質とは何でしょうか??

 

稲盛和夫さんの『生き方』に、次の一節があります。

道に迷った旅人の話です。

どう道を迷ったものか断崖絶壁につき当たってしまう。
崖下は怒涛渦巻く海。
後ろからは虎。
進退窮まって、旅人は崖っぷちに一本だけ生えていた松の木によじ登ります。
しかし虎もまた恐ろしく大きな爪を立てて松の木を登り始めている。

今度こそ終わりかと観念しかけましたが、目の前から一本の藤づるが下がっているのを見つけ、旅人は藤づるをつたって下へ降りて行きました。
しかし、つるは途中で途切れており、旅人は宙ぶらりんの状態になってしまいます。

上方では虎が舌舐めずりしながらにらんでいる。
しかも下をよく見ると、荒れ狂う海には赤、黒、青の三匹の竜が、いまにも落ちてきそうな人間を食べてやろうと待ち構えています。

さらには上の方からガリガリと音がするので、目を上げると、藤づるの根もとを白と黒のネズミが交互にかじっている。
そのままでは、つるはネズミの歯に噛み切られて、旅人は口を開けている竜めがけてまっさかさまに落下するほかありません。
まさに八方塞がりの中で、旅人はなんとかネズミを追い払うべく、つるをゆすってみました。
すると何か生ぬるいものが頬に落ちてくる。
なめてみると甘い蜂蜜です。
つるの根もとのほうに蜂の巣があり、揺さぶるたびに蜜がしたたり落ちてくるのです。

旅人はその甘露のような蜜の味のとりこになってしまいました。
それで、今自分が置かれている絶体絶命の状況も忘れて、何度も何度もその命綱を自ら揺すっては、うっとりと甘い蜜を味わう事を繰り返したのです。

 

人間はどんなに危機的な状況にあっても、目の前の誘惑に魅せられてしまう、ということを表しています。

 

確かに、この話は人間の本質をよく表していると思います。

例えば、学生時代、試験が近く勉強しなければならないのに、つい遊んでしまったり、寝てしまったり、本や漫画を読んでしまったりした経験は、誰にでもあるのではないでしょうか。

 

闇金融ウシジマくん』にも同じような話がでてきます。

例えば、この漫画の1巻では、パチンコ依存症になってしまう女性が出てきます。

息子もいる女性で、ひょんなことからパチンコにハマり、闇金融でお金を借りることになります。

そうすると、もちろんお金を返せなくなって、どんどん借金が膨らみます。

途中からは、体を売ってお金を稼ぐことになります。

その女性も体を売るときに、とても嫌な思いをし、二度とこんなことはしない、と心に誓います。

しかし、翌日にはまたパチンコに通ってしまうという姿が描かれています。

 

この漫画は、人間の本質をよく表している漫画だ、などと経営者の人がよくおっしゃっていて評判ですね。

 

こんな話ばかりを出すと、人間には夢も希望もないのかと思ってしまいますね。こわいこわい。

 

ある意味、こういった話は「性悪説」に立っていると言えるのではないでしょうか。

つまり、人間は放っておくと、どこまでも堕落していってしまう、という論調ですね。

これは人間の本質をよく表している、と言えると思います。

 

 

つづく