始める前に既に勝負は決まっている②
7/2分。
前回、孫子の五事七計の"五事"から引用して、こんな記事を書いた。
次は"七計"から引用してみる。
七計というのは、主・将・天地・法令・兵衆・士卒・賞罰の7つである。
人的リソースに関わる主・将・兵衆・士卒と、事業戦略に関わる天地と、組織運営に関わる法令・賞罰の3つに分ける。
競合との人的リソースの比較
七計の主・将・兵衆・士卒においては、以下のことが書かれている。
敵と味方で君「主」はどちらがすぐれているか、どちらの「将」軍が有能であるか、(中略)「兵衆」すなわち軍隊はどちらが強いか、個々の「士卒」はどちらがよく熟練しているか
(中略)
私はこれらによって、実際の戦闘が行われる前に勝敗を知ることができるのである。
つまり、競合と人的リソースをよく比較すべしということである。
社長の能力・経験・実績は、競合他社の社長よりも優れているか?
営業担当者やエンジニアは、競合他社よりも優れているか?
こういったものをよくよく比較しなければならない。
事業戦略・事業ドメインの比較
七計の天地においては、以下のことが書かれている。
「天地」の自然条件はどちらが強いか
(中略)
私はこれらによって、実際の戦闘が行われる前に勝敗を知ることができるのである。
現代に置き換えると、外部環境に合わせた事業戦略を描けているか、事業ドメインを選択できているかということだろう。
詳しくは、こちらの記事もご参照いただきたい。
組織運営に関わる法令・賞罰
七計の法令・賞罰においては、以下のことが書かれている。
「法令」はどちらがきちんと行われているか、軍功に対応する「賞罰」はどちらがより明確にされているか。
(中略)
私はこれらによって、実際の戦闘が行われる前に勝敗を知ることができるのである。
法令というのは、社内ルールや理念や文化がどれだけ徹底されているかということだろう。
例えば、以下のFiNCの新卒の記事を読むと、FiNCの文化が浸透していることがうかがえる。
弊社の社訓であるFiNC SPIRITにもCOMMUNICATIONという項目があります。
(中略)
弊社でよく言われているのは「give and takeではなくgive, give, give and take」というワードです。
前職のコンサルの会社でも、スピードの徹底や、簡潔なコミュニケーションなどの文化が徹底されていた。
賞罰というのは、報酬制度・ストックオプションの仕組みのことだろう。
どのくらいの成果を出したら、どのくらいの給与が得られるのか、将来的にどのくらいの利益が得られるのか、などが丁寧に設計されているか。
しかも、こういった法令・賞罰が他社と比較して、優れているかどうかを検証しなければならないと孫子では言われているのだ。
ここまで徹底的に他社と比較するのは、なかなか難しい。
相当他社のことをリサーチしつつ、他社の情報も拾えるようなネットワークをもっていなければダメだ。
ここまでやり切って、勝ちが確実になる。