我を捨てる
6/23分の振り返り。
経営において、"我"が強すぎると失敗すると言われる。
なぜ、"我"が強いと失敗するのだろうか?
事業案を愛しすぎる
"我"が強いと自分の考えに囚われすぎてしまう。
自分の考えは正しいはずだと思ってしまう。
事業においても、自分の立てた案が最善だと思ってしまう。
新しい事業案へとピボットできなくなってしまう。
例えば、私は以前、WEB上の違法動画を自動検知・自動通報するサービスの提供を考えていたことがあった。
"我々の"サービスは絶対に業界のためになるサービスだと思った。
"我々の"サービスは最新の技術を取り入れており、革新的なサービスだと思った。
でも、お客さまはそのサービスを欲しがっていなかった。
自分たちの発想や技術を愛しすぎていたのだ。
"我々"が強くなり、お客さまの声を聞いていなかった。
この事態を防ぐためにはどうすればよいか?
新規事業を興すにあたって、この事態を防ぐためには、「Day1からお金が稼げる状態になってから、会社をつくる」というのがいいのだと思う。
とあるコンサルティング会社の創業メンバーでトップ営業の方が、こうおっしゃっていた。
「本当に上手くいくサービスって、始めた瞬間から上手くいくんだよね。ウチの会社も創業した時からずっと黒字だったもん。」
とあるシステム開発会社の創業社長は、こうおっしゃっていた。
「フリーランスでやり始めた時に、これ絶対いけるなーと思ったんだよね。だから会社にして、大きくしたら上手く行ったんだよ。」
儲かり始めてから、会社にしよう。
社長の"我"が強すぎる
事業を大きくしていったり、仲間が集まってくるようにするためには、社長が進んで自分の欲を手放さなければならない。
"自分が"頑張って作った事業だと言いたい。
"自分が"認められたい。
"自分が"事業のことを全部分かっていたい。
"自分"が出てきて、"我"が強くなればなるほど周囲の人間は離れていく。
私自身、上述の違法動画の通報システムを考えている時、最初はメンバー4人で株を均等割りする予定だった。
その後で、流石に均等割りだと資本政策上まずいということになって、代表の私に株を寄せた。
ここまではまだよかった。
しかし、事業案が上手く行かないことがわかり、ピボットすることになった。
そして、私が先頭を切って、会社を辞めて、事業案を固めていくことになった。
そうしたら、私に、欲が出てきた。
「自分がこんなに頑張っているのに、なぜ他のメンバーに、そこまで株を与えなければならないのか」
そして、株を自分が更に多く持つことにした。
その後、チームが壊れた。
チームが壊れた原因は、これだけではないと思う。
でも、私の"我"が強く、まだ社長になれる器ではなかったのは確実だ。
人に与えながらも、自分も儲けることができるか?
社員に給料もあげて、株もあげて、それでもいいと納得できるか?
社員に与えて与えて、それで裏切られても、「まぁ、しょうがないか」と言えるか?
更に、そこまで与えながら、社長が一番事業にコミットしているか。
ある社長がこんなことをおっしゃっていた。
「自分の右腕がもがれても『いいよ、あげるよ』と言えるか。むしろ、左腕も差し出せるか?」
人に与えて与えて与えて、それでも自分が儲ける。
社長には、そんな覚悟と仕組みを作れる能力が必要だ。